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収益モデルを考えるための基礎(固変分解)

ビジネスモデルという言葉を聞くことが多くなりました。
色々な意味で使われるようになっていますが、ここでは、儲けの仕組み(=収益モデル)として、話を進めていきたいと思います。
(ビジネスフローとしてのビジネスモデルの話は、また別の記事でさせて頂きます)

一番単純な収益モデル(売上-コスト=利益)から、少しづつ掘り下げていきたいと思います。

商売を数式であらわせば、次のようになりますよね。

売上-コスト=利益

ここで解ることは、
1.売上を上げれば利益が上がる。
2.コストが下がれば利益が上がる。
ということです。

ここから、ビジネスモデルを作る際の目指すべきゴールは、最小のコストで最大の売上を獲得することということが分かります。ここまでは、誰でも分かることですよね。

■コストと売上の厄介な関係

ところが現実は、そんなに単純ではありません。
コストの中には、仕入原価のように、売上が増えるとコストが上げるというものもあれば、広告宣伝費のように、コストと売上の関係が不明確なものもあります。
また、仕入原価についても、売上が増えると大量生産により1個当たりの原価が下がるということも起こります。
売上とコストの関係が単純でないことが、ビジネスモデルを難しくしているのです。

利益を増やすということは、単純に売上の金額を上げていけば良いというわけではないことが、これだけでもご理解頂けると思います。

■単純に考えるための方法があります。

ビジネスモデルを考える場合、複雑な売上とコストの関係を単純化するために、コストを変動費と固定費に分解するということをします。

変動費とは売上に応じて増減する費用
固定費とは売上が変動しても増減しない費用
です。

この分類を用いると、最初の数式は次のように変わります。

売上高-(変動費+固定費)=利益
この数式は次のように展開することが出来ます。
(売上高-変動費)-固定費=利益
この売上高-変動費を粗利益(あるいは限界利益)と呼びます。

ここで解ることは、
1.粗利益が増えると、利益は増える。
2.固定費が減ると、利益が増える。
ということです。

■変動費と固定費を更に分類すれば精緻なモデルに近づくことが出来る

変動費は、さらに売上高との関係で、準変動費と変動費に分類できます。
準変動費とは売上に対して次のグラフのような増え方をする変動費をいいます。

準変動費の売上高と連動しない部分は固定費として取り扱われます。

固定費は、準固定費と固定費に分類されます。
準固定費とは売上に対して次のグラフのような増え方をする固定費をいいます。

準固定費は、売上高との関係で階段状に増加するので、固定費でありながら、売上の金額に応じた費用の見積が必要になります。

準変動費と準固定費まで加味したモデルを数式に表すと次のようになります。
売上高-{(変動費+準変動費(変動部分)+準変動費(固定部分))
-(固定費+準固定費)}=利益
この数式は次のように展開することが出来ます。
(売上高-変動費-準変動費(変動部分))
-(固定費+準変動費(固定部分)+準固定費)}=利益
この時、粗利は、売上高-変動費-準変動費(変動部分)となります。

■精緻なモデルのコストベネフィット

「ビジネスモデルを精緻に構築しても見返りは少ない」という方は少なくありません。
私も計画と実際は違うということは認めます。
しかし、精緻に検討することでお金を浪費をすることなく現実に近づく事は出来ます。

ここでご紹介したレベルの検討は、最低限必要なものと理解して頂きたいと思います。

※この記事は2011年12月現在の法令に基づき作成しております。

経営計画・事業計画担当

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