「儲け」は「利益」ではなく「お金」で考える

社長、儲かっていますか?

この質問、貴方なら何を根拠にお答えになりますか?

「儲け」の把握は、何を見てするべきでしょうか。

 

結論を言います。

本業でお金がどれくらい増えているか、あるいは減っているかを把握すべきです。

ポイントとなるのは、「本業」だけの数値であること。

そして、「お金」の増減であることです。

 

これは決算書や試算表に記載されている会計上の利益ではありません。

 

 

ここで「本業の儲け」とは「経常的なお金の出入り」を意味します。

要するに、「経常収入-経常支出」を儲けと定義しているわけです。

「経常収入」とは、継続的な事業活動の中で発生する収入で、売掛金の入金がその代表です。
また、「経常支出」でいえば、買掛金やその他経費の支払をはじめ、金融機関への借入金の返済も入ります。

逆に、保険事故が発生したときに入ってくる保険金や、借入による入金などは「経常収入」にはあてはまりません。
支出でいえば、経営者等の意思決定が必要な設備投資等は「経常支出」から除外します。
ちなみに、当社が開発したMIETAは、経常、非経常という概念でお金の出入りを管理できるようになっています。
関心のある方は↓のサイトもご参考にしてください。
経営"見える化"ツール『MIETA』

実は、この「儲け」を正確に把握していらっしゃる中小企業経営者は多くありません。
その理由は、経営者に対して会社の経営状況を説明するときに、試算表のみを用いる会計事務所が多いためでしょう。
しかし、いくつかの理由のために会計上の利益とお金の増減高は一致しません。
(会計上の利益とお金の増減高の不一致理由については、別の記事でご説明します。)
特に日本の場合、掛(売掛、買掛)という独特な商慣行があるため、成長している企業ほどこの不一致の幅が大きくなる傾向があります。

会計上の税引前利益はプラス2千万円。
でも、「本業の儲け」はマイナス2千万円。
なんてことがザラにあります。

税金計算が会計上の利益をもとにして行われることが、事態をさらにややこしくします。
会計事務所に儲かっていると言われても、経営者には実感がない。
「本業の儲け」はマイナスなんで、これは当たり前の感覚です。
実際には、借入によって会社は生かされているわけですから。
そこに、少なくない額の支払税金見込み額が会計事務所から告げられます。
資金的に余裕がないのに税金なんて払えるか!
という心理が働き、ついつい「節税」に走ります。

しかし、この例のような会社が、税金を減らすために、事業に関係がない、あるいは事業上の優先順位が高くないことにお金を投資すればどうなるか・・・。
会計上の利益を出すことができる会社だけに、このような投資判断で経営が傾くことはとてももったいないことです。
また、取引先、従業員、関係金融機関にも悪影響を与えます。
つまり、この種の経営判断は社会的な害悪と言っても過言ではありません。
もし、この経営者が、会計上の利益だけでなく、「本業の儲け」も把握していたら・・・。
「節税」のために自社の財務ポジションを悪化させるような判断を防ぐことができたかもしれません。

会社の生き死にに関わるのは、会計上の利益ではなくお金の増減です。
必然、経営者が会社の儲けを聞かれたら、まず「本業の儲け」が頭に浮かばなければいけません。
これは皆さんが、今後、経営判断する際にとても重要な指針です。
特に投資判断は、会計上の利益ばかりを見て決定すると会社を死に追いやりかねません。
ゆめゆめお忘れなきよう。

経営管理担当

-経営管理担当

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