最近、上場会社の経理部長さんとの会話で、「社長が大企業病を治すといって、色々と指示を出すけれど、上場前の頃ならまだしも、現在では、会社が大きくなってしまって、その指示の浸透が進まない」というお話しが出ました。「上場前は、うちの会社は戦闘機だったので、、機長(社長)の指示が入れば、急上昇も急旋回も簡単だった。いまはジャンボジェットなので、旋回しようにも、大きな円を描かないと曲がれないんです。」というお話しでした。
この戦闘機とジャンボ機に例えた言い方は、ウマいなーと感心すると同時に、起業ナビの主要読者層と思われる皆さんが経営されているような、従業員30名以下の会社であれば、「社長の意思決定次第で会社はガラっと変われる。」ということをお伝えしないといけないなと思いました。
続きでは、小さな会社にフォーカスをして、業績不振な小さな会社を別の会社に変えてしまうためのポイントについて、紹介したいと御思います。
社員、スタッフの先頭に立ち、現状を変えていくのがリーダーの仕事です。
■利益がでないということはなんらかの「過剰」が存在する
先行き不透明な世の中と言われて久しいですが、お付き合いさせて頂く、中小企業経営者の方の中にもそうしたお話しをされる方が沢山いらっしゃいます。私は半分同意しつつ、半分は疑問を抱いています。
「先行きは経営者次第じゃないか?」という思いです。
確かに、自社を取り巻く経営環境は厳しいかもしれません。しかし、経営者の意思決定によって、違う環境へ移動することも可能なはずです。これに対して、経営者は次のように反論します。
「既存の取引先をどうするんですか?」
(※この極端な発想は現状維持バイアスによるものと推測しますが本当に多い反応です。)
私は、既存の売上を捨てて、ゼロから新しい環境にいくように言っているつもりはありません。
問題は売上が少ないわけではなく、利益が少ないことです。
この利益が少ない原因が、設備過剰であれば、これを転用できる仕事をまずは考えるべきでしょう。人員過剰であれば、それを活用して既存の売上を伸ばす努力もできるし、新しい市場に進出することも可能です。
これらは、既存の売上を維持しながら可能です。
■最低でも6ヶ月というタイムスパンが必要
「過去に挑戦してみたんですが・・・。」というお話しをされるケースもあります。
私は、こういう時、期間を訪ねます。
すると「3ヶ月ほど。」という回答が多いように思います。
経験的に、ビジネスで何かを初めて3ヶ月で成果が出ることの方が稀だと思います。私の経験値では、従業員30名以下の小さな会社であれば、6ヶ月後くらいに、徐々に成果が出るのが普通だと思います。
(※情報商材で「たちまち300%アップ」というスキームも見かけますが、最初が1万円の売上だったら300%アップしても3万円に過ぎません)
3ヶ月で変革を止めてしまう経営を続けていると、従業員がついてこなくなります。「今回の経営者の意思決定もどうせ長くは続かない」と高を括られてしまうのです。
一度始めたら成果が出るまでやり続ける。少なくとも6ヶ月はやり通す。できれば1年・・・というようなタイムスパンを持つ必要があります。
逆にいうと、思いつきで新しいことを始めるのではなく、幾つもあるプランの中から、6ヶ月以上実行し続けられる戦略だけを選りすぐってから、実行に移す必要があるということです。これこそが経営者がするべき仕事、経営者でなければ出来ない仕事です。
■適者生存の原則
ダーウィンの適者生存の法則がいうように、企業も優れたものが生き残るのではなく、環境に適応したものだけが生き残ります。その舵取りを任されているのが経営者です。
つまり、先行きは経営者次第ということです。
経営者の役割は重要です。しかし、そこから得られる金銭的、精神的利益が最も大きいのも経営者です。経営者は、明るく、元気に、前向きに、未来に向かって進んでいく必要があります。
解らないことや不安なことがあれば、我々、起業家・経営者の支援を行うような専門家にご相談下さい。
一人で悩んでいるより、一歩前進
これが重要だと思います。
※この記事は2012年2月末現在の法令等に基づき作成しております。