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銀行からの借入はどのように申し込めばよいのですか?~後編~

続いて(3)返済方法についての希望(期間、借入の種類)についてです。

返済方法についての希望


借入には、商業手形割引、手形貸付、証書貸付、当座貸越があります。
借入を種類分けすると、この4つに大別されます。
それぞれの借入についての詳細な説明はここではできませんが、銀行側から見ると、右に行くほど貸付をすることが難しくなります。

また、返済方法については、分割と期日一括返済があります。
分割であれば、返済間隔(1ヶ月毎、2ヶ月毎等)と据置期間(借入をした後、返済が始まるまでの期間)についての希望を伝えます。
期日一括返済であれば、返済をする時期を明らかにします。
銀行側から見れば、分割の毎月返済が最も貸し倒れリスクが低く好ましい返済方法です。

今回の御社の融資申し込みについては、証書貸付の期日一括返済を希望することが理論的に合致します。
リフォームをして販売する中古建物の購入資金を借りるということは、それが売れて初めて返済財源ができるということです。
返済できる期日は、売上代金の入金があるときになりますので、融資を申し込む際には、売上があがる時期の見込を示すことができないといけません。
売るための活動として貴方が既に行っていること及び今後行う予定であることが、銀行員に売上に繋がる確率が高いと判断させることができれば、貴方の見込みは説得力を持ちます。
ここで重要なことは、融資を申し込む時点で、その売上をあげるための準備活動として一つでも多くの実績を持つことです。
たとえば、影響力のある媒体での広告が決まっているとか、販売実績を多く持つ会社との協力関係が確認されている、といったことです。
この例のような大きな実績ではないにしろ、銀行員に対して、売るための準備活動として話せる実績があるということは重要なことです。
これは、新しい取り組みを、御社が行き当たりばったりの思いつきではなく、周到に計画、準備をして行う会社であるという印象づけをすることにもなります。
どんな小さなことでも構いません。
借入をして事業をするときには、売上実績もしくは売上準備活動の実績をあげながら、資金調達に動くようにしてください。

話を戻します。
今回の申し込みでは、証書貸付の期日一括返済を希望してください。
返済期日は、売上があがる見込みの時期(売上代金の回収予定時期)とし、それまでに売上があがる確率が高いことを銀行員に印象付けられるような資料作成、活動報告ができればベストです。

借りたお金を返せる見込みであること


最後に(4)の借りたお金をきちんと返せる見込みであることの説明です。
例えば返済期日の希望を三ヶ月後とした場合、その三ヶ月後までの収支(お金の出入りのこと。)を銀行員に示すことによって説明します。
経常的なお金の収支(ここでは、中古建物を購入する前のお金の動きのことです。)に加え、借入をして中古建物を購入した後、会社が生き続け、借入金が返済できることを説明するわけです。

この説明をするには、資金繰り表(お小遣帳や家計簿をイメージしてください。)を作ると便利です。
中古建物を購入する前の事業についてお金が回っていること、売上の入金によって借入金の全額が返済できることを資金繰り表を使って説明し、銀行員を安心させてください。
売上が見込みどおりの時期にあがらなかった場合の対応策(例えば、個人資金を会社に入れることによって返済をする)も用意しておくべきでしょう。
銀行員の最大の心配事は、貸したお金がちゃんと返ってくるかどうかです。
融資の申し込みで借り手の側ができることは、貸し手側の不安をできる限り消すことです。
貸す側の視点にたった資料作りと説明(情報開示)を心がけましょう。

おわりに


さて、ここまで、理論的に融資の申し込み方について説明してきました。
上記で説明してきたような方法で算出された借入必要額や返済方法を、銀行が実際に受け入れ てくれるかどうかは分かりません。
融資に応じてもらえないこともあるでしょうし、こちら側が必要とする額の一部しかOKがでないこともあります。
今回ご相談いただいた件でも、期日一括返済の希望が通る可能性は、御社の現状から考えると 極めて低いでしょう。
しかし、それは銀行側が判断することです。
借り手側はあくまで理屈が通る話で融資の申込みに臨むことが必要です。
これは保証協会等の制度融資を申し込むときも同じです。

もし、どの銀行でも融資がおりない場合、御社の今回の計画は、会社の自己資金が貯まるのを待つか、銀行以外で資金を調達して実行することになります。
融資を受けられる会社と受けられない会社が、もし同じ精度の事業計画を持っていたとするとどちらが早く成長できるでしょうか?
これが、事業にとっての融資の意味です。
その融資を使いこなせるようになるためには、借り手側が融資のことを知る必要があります。
そのためには、申し込みの結果に関わらず、理屈をもって融資の申し込みに臨むことが一番の近道です。
弊社は資金管理を得意としています。
融資の申し込みについて不明や不安がある場合には、また、お気軽にご相談ください。

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