法人化で電気代を節約できる?自宅を社宅扱いにするメリットは|個人事業主から法人化するときのポイント

法人化で電気代を節約できる?自宅を社宅扱いにするメリットは|個人事業主から法人化するときのポイント

法人は個人事業主よりも経費の幅が広いため、自宅の扱いを工夫することで節税につなげられます。自宅兼事務所とするか、プライベートな自宅として社宅扱いするかによって、家賃や電気代の負担が変わるのです。条件や按分の仕方を詳しく解説します。

山口真導 サイト管理者の紹介
山口 真導 (株式会社アカウンタックス 代表取締役)
公認会計士・税理士 『起業5年目までに知らないと損する 節税のキホン』など節税や資金繰りを著書、YouTubeチャンネルによる動画配信するなど社長の手取りをトコトン増やすセミナーなども開催など資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。

法人化で経費はどう変わる?

法人化で経費はどう変わる?

個人事業主がある程度の事業規模になってくると、節税のために法人化が視野に入って来ます。個人事業主と法人では、経費計上できる部分に大きな差があります。具体的にどんな違いがあるのか見ていきましょう。

法人の方が経費の幅が広い

個人事業主も法人も、事業のための支出は経費計上が可能ですが、大きな違いは法人の方が経費計上できる幅が広いという点です。

個人事業主が経費にできる地代家賃や水道光熱費、通信費、会議費、消耗品費は、もちろん法人でも経費として計上可能です。それに加えて、従業員に支払う給与や賞与も経費扱いできます。

代表者への費用も経費にできる

法人になれば、代表者にかかる費用も経費計上が可能です。法人は、代表に支払う給与である役員報酬も経費計上できます。退職金も経費計上の対象です。

また、個人事業主の場合は12万円の上限があるものの『生命保険料控除』が受けられます。法人の場合には、保険を法人契約することで、支払った保険料の一部が12万円を超えても経費にできます。

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法人化で自宅兼事務所の電気代は経費になる?

法人化で自宅兼事務所の電気代は経費になる?

個人事業主よりも法人の方が、経費として認められる支出の幅が広いと分かりました。それでは、自宅を事務所として使用している場合、法人化すると家賃や電気代はどのような扱いになるのでしょうか。

事務所の賃貸料として家賃を支払う

個人事業主のときに家事按分によって自宅兼事務所の家賃を経費計上していた場合、法人になると扱いが変わる点に注意が必要です。

代表者の自宅兼事務所を法人名義で借りることで、社宅として家賃を経費に計上できます。

法人登記を自宅にしている場合、個人事業主のときと同様に事業運営にかかわる面積を按分しましょう。事務所扱いの面積分を事務所家賃に、プライベート部分は社宅費用として計上するのです。

ただしこのケースでは、プライベート部分の家賃の全額を経費計上できるわけではありません。代表者は社宅家賃として一部を自己負担する必要があります。

電気は法人用のメーターを設置する

自宅兼事務所の電気代は経費として計上できます。

個人と事業の境界があいまいな個人事業主と違い、代表者と法人は完全な別人格として扱われます。そのため明確な線引きができるよう、法人用の電気メーターを設置するのがおすすめの方法です。

電気メーターを別々に設置すれば、個人がプライベートで使用する分は個人負担とし、法人として使用する分は会社経費として処理しやすくなります。

難しい場合は適切に按分する

電気メーターを二つに分けて設置することが難しい場合は、個人事業主の家事按分のように、それぞれの使用料を適切に分けることが必要です。

例えば1日のうち、仕事をしている時間とプライベートの生活がそれぞれ何時間かで割合を算出します。また、事業用に使用しているコンセントの数で判断するなど、客観的に見て合理的だと判断できる按分を行いましょう。

家賃と同様に、面積に応じた按分も可能です。

電気代以外でも按分できるもの

電気代以外でも按分できるもの

自宅兼事務所の建物で事業を運営している場合、電気以外にも事業で利用しているものがいくつもあります。電気代のほかに按分できる対象として代表的な費用を確認しましょう。

ガス、水道など

自宅兼事務所で活動していると、電気と同様にガスや水道も仕事中に使用するはずです。

業務中に来客に対してお茶を出したり、冬場に暖房を使用したりする場合もあるでしょう。来客がトイレを使用したり手を洗ったりした際には、水道も事業に関係しているとみなされます。

ただし、自宅兼事務所としている物件で活動している以上、どうしてもプライベートの使用が発生するものです。ガス代、水道代を経費計上する際も、仕事とプライベートの割合に応じて按分しましょう。

経費として認められるためのポイント

ガス代や水道代が経費として認められるかどうかは、事業活動に必要な支出だと客観的に見て判断できるかどうかです。

例えば自宅兼飲食店の場合や、料理教室を自宅で開いている場合は、事業にガスや水道を使うのが普通でしょう。顧客や従業員が代表者の自宅を訪れる場合も、お茶を出したりトイレを使ったりするはずです。

このような業務内容や自宅兼事務所の使い方であれば、ガス代や水道代が経費として認められやすいでしょう。

しかし、ガスや水道を使う必要がない業務内容では、経費化は困難です。ネットビジネスやウェブデザイナー、外部の関係者を自宅兼事務所に招くことがない仕事スタイルの場合には認められにくいでしょう。

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自宅を社宅扱いにして節税

自宅を社宅扱いにして節税

事業内容によっては、自宅で仕事を一切しないという働き方をしている人もいるでしょう。自宅を自宅兼事務所ではなく、完全なプライベート用として扱う場合、法人であれば社宅扱いにして経費にできます。詳細をチェックしましょう。

法人名義で家を借りて貸し出す

代表者が自宅の家賃を経費計上するためには、個人ではなく法人の名義で家を借り、代表者に社宅として貸し出しているという扱いにします。

これにより、家賃はもちろん保険料・維持費・共益費など、家にかかる費用を経費計上できるようになります。ただし駐車場については、社宅の扱いから外れるため、経費として扱えない点に注意しましょう。

自宅を代表者など法人の役員の社宅にする場合は、物件の賃貸借契約を法人に切り替えることが必要です。個人事業主のときに個人名義で自宅を借りていた人は、法人契約に切り替えましょう。

代表者が自宅を社宅にできる条件

法人名義で家を借りて代表者に貸し出すという形を選ぶ際には、法人が住人から一定額の家賃を受け取っている必要があります。無料で貸し出すのはNGです。

住人が法人に支払う家賃は安く設定できますが、国税庁が定めた金額を下回ると、社宅扱いではなく『役員報酬』とみなされ、節税面で損をするため注意しましょう。

社宅と呼ぶには明らかに適切でないグレードの物件を社宅扱いする場合も問題です。相場と比べて面積や間取り、設備が非常に豪華であれば、『経済的利益』を法人から得ているとされ『現物の給料』を受け取ったとみなされます。

この場合、家賃の全額が代表者の負担となるため、社宅にして節税効果を得ることは不可能です。

電気代は個人負担

完全にプライベート使用の自宅を社宅扱いしている場合、電気代は住人である代表者個人の負担となります。

社宅では事業活動を行わないため、発生する電気代が経費として認められることはありません。同じ理由から、ガスや水道などの料金も個人負担となる点に注意しましょう。

まとめ

法人化すると、個人事業主のときと比べて経費計上できる支出の幅が広がります。

とくに大きく変わるのが、自分に対して支払う給料(役員報酬)が経費になることです。
自宅兼事務所の家賃や、電気代をはじめとする水道光熱費も、合理的な按分ができていれば事業分の支出は経費計上が可能です。

完全にプライベートな自宅でも、法人が借りて社宅扱いにすれば、家に関する費用は全額経費扱いできます。ただし、電気、ガス、水道代は自己負担です。

法人化することで具体的に何を経費化できるか把握し、効果的な節税につなげましょう。

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