個人事業主がもらえる給付金を税理士がくわしく解説!給付要件や他の支援策も確認を

個人事業主がもらえる給付金を税理士がくわしく解説!給付要件や他の支援策も確認を

個人事業主がもらえる給付金は、いくつか存在します。新型コロナウイルス感染拡大の影響により窮地に立たされている個人事業主にとっては、救いになる存在です。給付を受けるための要件や支援策を理解して、生活や事業の安定を目指しましょう。

山口真導 サイト管理者の紹介
山口 真導 (株式会社アカウンタックス 代表取締役)
公認会計士・税理士 『起業5年目までに知らないと損する 節税のキホン』など節税や資金繰りを著書、YouTubeチャンネルによる動画配信するなど社長の手取りをトコトン増やすセミナーなども開催など資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。

そもそも給付金とは?

そもそも給付金とは? 

給付金は国や自治体が支給するお金ですが、似た言葉に助成金・補助金もあります。まずは給付金とはどのようなものなのか、またどのような種類があるのか理解することから始めましょう。

国や自治体が支給するお金のこと

『給付金』とは、国や自治体から支給されるお金です。救済が必要な国民や事業者のために、緊急的に給付することが特徴です。給付金は以下のようにいくつかあります。

  • 持続化給付金
  • 失業給付金
  • すまい給付金
  • 教育訓練給付金

それぞれ、必要な条件を満たすことで申請できます。給付金はその特性から、一刻も早い給付が目的です。そのため助成金や補助金と比べて、要件や提出書類がより簡素になっている点が特徴です。

助成金・補助金との違い

助成金・補助金と給付金の大きな違いは、その目的です。助成金は主に、雇用や研究開発にまつわる取り組みに対して交付されます。補助金は、新規事業・サービスの導入や新規政策の促進を目的として交付されるお金です。

助成金・補助金の支給対象はその性格上、『法人』や『事業主』に限られるのに対し、給付金には『個人』でも申請可能なものが数多くあります。

ちなみに給付金や助成金・補助金は『収入』として扱われるため、返済の必要がありません

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個人事業主が受けられる給付金

個人事業主が受けられる給付金

個人事業主は経済情勢の影響を受けやすく、企業に所属していないため支援の手が届きにくい存在といえます。個人事業主が利用できる給付金にはどのようなものがあるのか、積極的に情報収集しましょう。

一時支援金・月次支援金

新型コロナウイルス感染拡大の影響にともない発出された緊急事態宣言を受けて、上限30万円の『一時支援金』の支給が決定されました。こちらは2021年5月末に申請締め切りを迎えましたが、その後を継いだのが月額上限10万円の『月次支援金』です。

月次支援金の給付対象となるのは、下記の条件を満たす中小法人・個人事業主とされています。

  • 緊急事態宣言措置やまん延防止等重点措置にともなう飲食店の休業・時短営業または外出自粛等の影響を受けていること
  • 緊急事態宣言措置やまん延防止等重点措置が実施された月のうち、措置の影響を受けて月間売上が19年または20年の同月と比べ50%以上減少していること

これらの条件を満たしている場合は、必要書類をそろえて申請手続きを行えば給付を受けることが可能です。なお、中小法人は上限20万円とされており、個人事業主とは金額が異なる点に注意しましょう

一時支援金・月次支援金

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金

小学校等が臨時休業した場合に子どもの世話をするため、契約した仕事ができなくなっている子育て世代を支援することを目的とした支援金です。

受給額は1日あたり7500円で、2021年1月から3月末までの期間については21年6月30日までが申請受付期間です。今後の情勢によっては申請期間が延長される可能性もあるので、継続的に確認しておきましょう。

また『企業主導型ベビーシッター利用者支援事業』という支援もあり、同様の理由でベビーシッターを利用した場合に利用料金を補助してもらえます。

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業における「ベビーシッター派遣事業」の令和3年度の取扱いについて/ 子ども・子育て本部 - 内閣府

住居確保給付金

自営業者も対象の、家賃補助を目的とする給付金です。支給要件は、就業機会が減少したことで経済的に困窮していることが挙げられています。離職や廃業を前提としない点も安心でしょう。

住んでいる自治体によって給付額は異なり、東京23区では単身世帯の場合5万3700円、2人世帯の場合6万4000円が月額の上限です。支給は原則3カ月間で、条件によっては最長12カ月間まで延長できます

自治体によっては独自の給付金を交付している場合があるため、相談窓口や自治体のウェブサイトで対象者かどうかを確認しましょう。

厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要

事業再構築補助金

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の社会の変化に対応するため、中小企業(個人事業主も含む)や中堅企業に対して事業の再構築を支援する補助金です。補助額は100万円〜1億円と幅広いのが特徴です。

この補助金は『通常枠』と『卒業枠』という二つに分かれており、事業計画期間内に事業再構築がうまくいった場合には卒業枠として補助金の金額が変化する構造となっています。

最大1億円というのは卒業枠に入り成果をあげた場合の金額です。事業再構築に対して計画がある場合は挑戦も視野に入れるとよいでしょう。

事業再構築補助金

個人事業主の感染対策に対する補助金・助成金

個人事業主の感染対策に対する補助金・助成金

個人事業主が今後を想定して対策を練ることに対しても、支給される補助金や助成金があります。すでに飲食業などではその動きが目立ってきているため、補助金の対象になっているか理解しておくことが大切です。

業態転換支援

業務転換支援とは、東京都内で飲食業を営む中小企業など(個人事業主も含む)が新たなサービスに着手する場合に交付される助成金です。

飲食店がテイクアウトや宅配、移動販売を新たなサービスとして始める場合、その費用の一部が支援されます。デリバリー代行サービスを利用する場合も対象です。

1事業者1回限りなど注意事項があるため、書類不備や間違った申請を避けるために正しい理解が求められます。21年10月末が締め切りである第20回目の申請受付が始まっているため、まずはウェブサイトで詳細を確認しましょう。

業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業 | 事業 | 東京都中小企業振興公社

中小企業等による感染症対策助成事業

都内の中小企業者に対して、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン等に基づき行う取り組みに関する費用に一部を助成する事業です。

感染対策には費用がかかり、それを中小企業者がすべて負担するのは難しい側面があります。そのため、以下のような場合に審査のうえ、助成金を交付する事業が展開されています。

  • 備品購入費:限度額50万円
  • 内装・設備工事費:限度額200万円
  • 消耗品の共同購入費:限度額30万円

申請受付期限は21年10月31日です。現在多数の申請が行われており審査が混み合っているため、余裕をもって準備をして申請しましょう。

中小企業等による感染症対策助成事業

ものづくり補助金

革新的サービスの開発や試作品開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するのが、『ものづくり補助金』の役割です。低感染リスク型のビジネスに対する補助金で、一般型の上限は1000万円に設定されています。

斬新なアイデア、革新的なビジネスモデルの含まれた事業計画に対する支援として、『ビジネスモデル構築型』という枠も設けられています。こちらは上限 1億円(下限100万円)です。

中小企業や個人事業主は今後複数年にわたり、働き方改革・被用者保険の適用拡大・賃上げ・インボイスの導入などに直面します。

今後の社会変革に対して先手を打ち、ウィズコロナに対応するための抜本的システム転換を考えている場合は、ものづくり補助金を利用するのがよいでしょう。

トップページ|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

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個人事業主が給付金を受ける際の注意点

個人事業主が給付金を受ける際の注意点

対象外になる場合や不正受給となる場合など、給付金・支援金を申請する場合には注意が必要です。給付を受けてしまったばかりに損をしたり不正受給をしてしまったりというケースもあるため、罰則や対象外になる規定を理解しておきましょう。

協力金を支給されている場合は対象外

休業・時短営業の要請にともなう地方公共団体からの『協力金』を受給した事業者は、月次支援金の受給対象外であるというデメリットが存在します。

実際は月次支援金の方がもらえる金額が大きかったとしても、すでに協力金を受給してしまっていた場合には権利を失ってしまうのです。

申請開始時期には違いがあるため、より早く申請できるものを選んでしまうということは十分あり得ます。しかし、自分がもらうべき支援金をしっかりと見極めて申請するように気をつけましょう。

不正受給には返還・罰則あり

給付金を不正に受給している例が散見される事態が起きています。すでに逮捕者も出ており、不正受給をするとどうなるのかを理解しておくことが必要です。

  • 不正行為のあった日以降のすべての給付の停止
  • 不正受給した金額を全額ただちに返還する
  • 不正行為により受けた金額の2倍の納付命令
  • 財産の差し押さえ命令
  • 悪質な場合、刑事事件として刑法により処分

詐欺に引っかかり、内容をよく理解しないまま受給してしまうという例もあります。不正受給をしないためにも、必ず規定を把握し対象者であることを確認してから申請を行いましょう。

まとめ

個人事業主がもらえる給付金にはさまざまあります。まだ給付を受けていない人は、不正受給などの注意点に気をつけながら、どの給付金がよいか判断することが大切です。

ウィズコロナという状況下で、個人事業主はかつてないほど追い詰められています。今後の経済・社会情勢を見つつ、給付金に対する理解を深め、選択肢を間違えないように行動することが重要です。

 

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