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開業までに準備することを税理士が解説!円滑に手続きを進めるためは?

脱サラを目指して独立・開業を目指す人が増えてきていますが、最初から法人化するのではなく、多くの人は個人事業主として開業することから始めます。

極端な話、書面の提出だけで簡単に開業できるようになっています。

しかし、実際には準備するものが非常に多く、時間をかけて準備を進めていく必要があるのです。

本記事では開業するにあたって準備しておきたいものを、詳しく解説します。

山口真導 サイト管理者の紹介
山口 真導 (株式会社アカウンタックス 代表取締役)
公認会計士・税理士 『起業5年目までに知らないと損する 節税のキホン』など節税や資金繰りを著書、YouTubeチャンネルによる動画配信するなど社長の手取りをトコトン増やすセミナーなども開催など資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。

開業までに準備しておくこと一覧

開業までに準備しておくこと一覧

会社の退職から開業までにすることは非常に多く、開業届を出してすぐに独立というわけにはいきません。

これから展開する業種・業態によって必要な準備物は異なりますが、すべての業種・業態で必要になることは次の3点です。

  • 退職に伴う手続き
  • 開業に伴う手続き
  • 開業資金の獲得と人脈の確保

大雑把な分類わけですが、開業するには上記3点が必要だと覚えておいてください。

 

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退職するまでに準備しておきたいこと

退職するまでに準備しておきたいこと

独立を決めたら、今所属している会社を退職しなければなりません。それに伴って、各種手続きが役所や税務署で必要になります。

また、退職して個人事業主として独立するということは、家族の同意も必要になるでしょう。

事前に確認して、ひとつずつクリアしていくことをおすすめします。

 

会社に退職を伝える

独立・開業をするのであれば今いる会社を退職しなければなりません。

書面上の手続きは各会社の就業規則に従えば済みますが、引継ぎや挨拶のことを考えると、規則に記された期限よりも早い段階で退職の意思を伝えておくといいでしょう。

いろいろな意見がありますが、一般的には退職する3か月前には意思を伝えて承認を貰い、後任への業務の引継ぎや挨拶回りをしておくのが理想的です。

最後まで誠実に対応しましょう。

 

健康保険・国民年金の手続き

退職後にすべきことの代表として、健康保険・国民年金の切り替えがあります。

いずれも各市町村の役所窓口で対応してもらうことができますが、どちらも退職日から14日以内に手続きをしなければなりません。

それ以外にもいくつか相違点があります。以下の表を参考に、申請時に焦ったり間違えたりしないようにしましょう。

国民健康保険 国民年金
必要な書類 ・健康保険資格喪失証明書
・退職証明書
・離職証明書
※これら3点以外でも退職を証明できるものであれば可
・年金手帳
申請場所 国民健康保険担当窓口 国民年金担当窓口
納付額(月額) 所得額によって変動 月額16,610円(令和3年度)

 

家族の同意を得ておく

会社への挨拶や税務署向けの手続きも大切ですが、もっとも大事なのが家族の理解でしょう。

家族を養っている人だけではなく、両親や親しい親戚縁者にも、独立・開業のことは伝えて同意を得ることを最優先にしてください。

今までは会社が守っていてくれていた保障や給料が、すべて自己管理になります。同時に、家族からの支えが新事業に専念できるかどうかの明暗を分けます。

きちんと同意を得たうえで、新事業に向けて着手しましょう。

 

開業までに準備する書類やもの

開業までに準備する書類やもの

退職して開業準備を進める中で、準備が必要なものもあります。

業種・業態によっては必要ないものも存在しますが、ひととおり覚えておいて損はありません。自分の開業する業種・業態では何がいるのかをしっかりと把握して、準備に取り掛かりましょう。

 

税務手続きの確認

開業する際には税務関係の手続きが必須となります。

以下の手続きは業種・業態にかかわらず必要になるので忘れずに提出をしましょう。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 事業開始等申告書
  • 青色申告承認申請書

いずれの書式も国税庁のホームページからダウンロードができます。
必要事項を記入の上、管轄の税務署に郵送もしくは窓口で提出しましょう。

また、アルバイトを含む従業員を雇う場合は上記3点に加えて「給与支払い事務所等開設届出書」「源泉徴収税の納期特例承認申請書」が必要です。

忘れずに準備しましょう。

 

法人カード(ビジネスカード)や名刺などを作る

開業前に準備しておきたいもので、退職しなくても準備できるものに次の4点があります。

  • 法人カード(ビジネスカード)
  • 印鑑3種類(実印・銀行印・角印)
  • 銀行口座
  • 名刺

特に法人カード(ビジネスカード)に関しては、退職後に作ることもできますが審査で落とされる可能性が上がります。

カードの名義の関係で事前に屋号を付けておく必要はありますが、出金管理が法人カード1枚で済むので作っておくといいでしょう。

また、名刺も開業前に作っておくことをおすすめします。

業種にもよりますが開業前に取引先などに挨拶する関係で、名刺が必要になることもありますし、事業開始後でも新たな営業先や取引相手に渡すために作っておくといいでしょう。

あとから作るよりも、先回りして持っておくと、いざというときに焦ることもなくなります。

 

事業計画書を作る

これから展開する事業に先駆けて、事業計画書はしっかり作っておきましょう。

「これからの事業の具体的な設計図」である事業計画書は、どの業種でも作っておくことをおすすめします。

例えば、従業員を雇うにしても、事業の方針が説明できなければ従業員は集まらないでしょう。また、売上などの数値目標が具体的でないと、漠然としたまま事業をスタートしてしまい、思ったような結果が得られないことも考えられます。

どんな業種であっても、必ず事業計画書は作ってください。

 

資金調達のために必要

事業計画書は、自身の事業を具体的に明文化したものです。開業した自分自身のロードマップになることはもちろんのこと、事業に必要な融資を受けるために必要な書類にもなります。

融資を受ける先は、一般的に銀行になりますが、展開している事業に将来性がなければ融資してくれる確率は極めて低いでしょう。

具体的な売り上げ目標や拡大計画を入念に事業計画書に落とし込むことで、融資を受けることができる確率も上がります。

従業員だけではなく、お金を集めるためにも事業計画書はしっかりと書いておくことを忘れてはいけません。

 

公的融資の申請にも使える

銀行や資本家のほかにも「公的融資」と呼ばれるものを申請する際にも、事業計画書は必要です。

代表的なものに、政府が運営する「日本政策金融公庫」があります。また「補助金」「助成金」と呼ばれるものも、国が統括しているものから地方公共団体が運営しているものまで数多く存在しています。

どちらも銀行からの融資同様、将来性が認められる事業に融資をするため、しっかりと作りこまれた事業計画書が必要なのはいうまでもありません。

事業計画書は自分自身の事業拡大のロードマップになるだけではなく、現実に必要になる人員や資金集めにも影響する大事なものなのです。

業種・業態によって必要なもの

ひと口に開業といっても、その業種・業態はさまざまです。当然、開業する業種・業態によって必要になるものが少しずつ異なります。

例えば飲食店やショップの店舗型ビジネスでの開業をするのであれば、店舗を構える土地と建物が必要です。

また、飲食店であれば「食品衛生責任者」の免許が必要になるなど、許認可を受けなければ開業できないケースも存在します。なかには複数の許認可が必要な業種もあるため、抜けがないようにしなければなりません。

主な許認可が必要な業種についてはこちらの一覧で確認しましょう。

 

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人のつながりを開業までに準備しておく

人のつながりを開業までに準備しておく

手続きや書類の準備のほかに、もうひとつ準備しておかなければならないのが「人」です。

事業を始めるからには、関係先はもちろんのこと、一緒に働いてくれる仲間や顧客を作らなければなりません。

言い換えれば人とのつながりを準備すること。これもまた、事業を始めるうえでは欠かせません。

 

仕入れ先・取引先の確保

事業をするにあたって、仕入れ先や取引先を確保しておくことは最優先事項です。

物販や飲食はもちろんのこと、サービス業も例外ではありません。何か具体的なものを提供する業種だけに限られた話ではなく、個人で開業して事業を始めるのであれば絶対に必要になります。

具体的には商品を購入する相手や作った商品を卸す相手、お金関係の取引先です。また、税

理士や顧問弁護士を依頼する場合も、同様に人材を確保しておく必要があるでしょう。

 

従業員を雇う

物販や飲食、あるいはフランチャイズでの開業であれば、自分だけではなく従業員も必要になるでしょう。

求人票を作ったり、ツテを頼ったりして従業員の確保もする必要があります。

この時に必要なのが事業計画書です。

正社員でもアルバイトでも、その事業で働きたい、その店で働きたいと思わせるだけの説得材料が必要になります。事業計画書を入念に作っておけば、従業員を探す際の基準にもなりますし、応募する求職者もどんな理念を持っているところなのかがはっきりします。

事業主の事業に対するビジョンがクリアであればあるほど、共感してくれる従業員が集まりやすくなるでしょう。

 

顧客を集める

事業をするということは、当然顧客に商品やサービスを購入してもらう必要があります。

店舗型の事業であれば近隣住民に対して宣伝をする必要がありますし、ネットビジネスのようなノマドワーカーであれば、自身の宣伝に力を入れる必要があるでしょう。

事業主が提供する商品やサービスに価値観を感じてこそ、顧客創出ができます。「これぐらいでいいや」と妥協せず、あらゆる手をつかって顧客を集めるようにしましょう。

そのための準備として、広告や看板を準備しておくと効果的です。また販路拡大のための施策として、ネット上でのショップ展開やSNS運用も顧客創出のための重要な手段といえます。

 

まとめ

一言で開業準備といってもさまざまな手続きや準備が必要で、その内容も業種・業態によって異なります。

しかし、共通して言えることは、事前準備をしっかりしていれば後々困ることはないということです。

会社を退職してすぐに開業届を提出すれば、すぐにでも事業主にはなれます。ですがそれは書面上での話。

本気で事業を拡大し、自分の提供できる商品やサービスを広めたいのであれば、きちんと準備をしてから開業するようにしましょう。

 

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