法人がエアコン代で節税するには?一括償却資産処理できる条件

法人がエアコン代で節税するには?一括償却資産処理できる条件

法人がエアコンを設置する場合、損金として計上することで節税が可能です。金額によって勘定科目や減価償却の必要性が変わるため、取得価格を確認しましょう。法人がエアコン代を計上する際の処理方法や、購入後にかかる費用の扱いを解説します。

山口真導 サイト管理者の紹介
山口 真導 (株式会社アカウンタックス 代表取締役)
公認会計士・税理士 『起業5年目までに知らないと損する 節税のキホン』など節税や資金繰りを著書、YouTubeチャンネルによる動画配信するなど社長の手取りをトコトン増やすセミナーなども開催など資金繰りの悩みを節税対策と銀行対策で解決する専門家として活動。

法人はエアコン代の損金処理が可能

法人はエアコン代の損金処理が可能

快適に作業するためには、事務所にもエアコンを設置しておきたいものです。しかしエアコンは高額な家電製品のため、設置するなら経費化できるか知っておきたいという事業主は多いのではないでしょうか。

法人の場合、事業で使うエアコン代は経費となり、しかも損金処理が可能です。そもそも損金とは何か、どのような会計処理を行えばいいのか解説します。

損金の定義と効果

『損金』とは税務会計における用語であり、資産を減らす原価・費用・損失金額の合計です。個人事業主の場合は使われず、一般的に法人で用いられます。個人事業主の場合、事業運営のために資産を減らすものは経費です。

確定申告の際に、売上から損金を差し引いて所得に応じた法人税を算出するのが法人、売上から経費を差し引いて所得税を算出するのが個人事業主といえます。

損金が大きいほど法人の所得は小さくなり法人税も減るため、節税効果が見込めるのです。

設置費用も取得価額に含まれる

事務所にエアコンを設置する場合、エアコンの本体と取付工事にかかる費用や送料、さらに消費税が発生します。

エアコンは基本的に固定資産という扱いになり、固定資産の購入代金と手に入れるためにかかった費用が取得価格となります。そのため設置費用も取得価格に含まれるのです。

消費税もエアコンを取得するためにかかる費用とみなされるため、取得価格に含めることもできます。これは法人の経理方式にゆだねられており、税込経理なら消費税込、税抜経理なら消費税を除外する計算です。

取得価格はあくまで固定資産の取得のために使った費用であり、すでにあるエアコンを撤去し処分する場合にかかる費用は取得価格でない点に注意しましょう。

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エアコン代の勘定科目

エアコン代の勘定科目

エアコンの購入代金はもちろん、設置費用や送料、消費税なども損金として計上できるとしても、実際にエアコン代を会計上どのように処理すればいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。

エアコン代の勘定科目と金額による処理の違いについて解説します。

10万円未満は消耗品費

経費計上には、対象となる物品の金額の大きさによって処理方法が変わるルールがあります。10万円未満の物品は『消耗品費』という扱いです。

消耗品費とは、取得価格が10万円未満、もしくは耐用年数が1年未満のものを指します。事務所で使う事務用品のほか、低価格のパソコンやコピー機、給湯器なども消耗品です。消耗品費の場合は、その事業年度内に損金として処理できます。

10万円以上する物品の場合は、長期的に使用できる固定資産という扱いになり、毎年減価償却費として計上します。

中小企業は30万円未満まで

中小企業はいわゆる『少額減価償却資産の特例』を利用できます。減価償却の対象となる資産の金額が30万円未満であれば、取得した年に全額損金として計上できるという制度です。

この特例を利用すれば、30万円未満の資産を消耗品費扱いで計上できるため、その年の所得税が高額になると見込まれる場合、節税効果が期待できます。

対象となる法人の定義

少額減価償却資産の特例は、すべての中小企業が対象となるわけではありません。

確定申告時に青色申告を行っており、かつ従業員が1000人以下の中小企業であることが前提です。また、資本金もしくは出資額が1億円以下であることも、少額減価償却資産の特例の対象となる法人の定義に含まれます。

損金として計上できる金額は、年間300万円が上限です。さらに、少額減価償却資産の特例には、2022年3月31日までという期限がある点にも注意しましょう。

No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

 

一括償却資産処理で節税が可能

固定資産の取得価格が20万円未満である場合は、『一括償却資産処理』を行えます。通常、固定資産は物品の耐用年数に応じて減価償却処理を行わなければなりません。

しかし一括償却資産処理は、3年間かけて費用計上するか、通常の減価償却で処理するかを決めることができます。

一括償却資産のメリットは、物品の本来の耐用年数よりも短い期間で減価償却することで、年度ごとの損金を大きくできる点です。これにより所得金額が小さくなるため、節税につながります。

エアコン代の減価償却が必要になるケース

エアコン代の減価償却が必要になるケース

エアコン代は、取得価格や法人の規模によって、取得した年に全額を経費計上できる場合もあれば、減価償却が必要になるケースもあります。どんな場合にエアコン代を減価償却しなければいけないのか見てみましょう。

取得価額が30万円以上

エアコンの所得価格が30万円以上の場合は、少額減価償却資産の特例が適用できないため、通常の減価償却処理が必要です。

税法では、固定資産は年月の経過とともに劣化し価値が減っていくと考えます。取得価格が30万円を超える高額なエアコンは、資産価値がなくなったとされる耐用年数まで減価償却を行わなければなりません。

耐用年数に応じて減価償却が必要

耐用年数とは、その物品を使い続けられる年数のことですが、家電メーカーなどが定義している実際の寿命と、税法上の耐用年数は異なります。

税法で想定されている固定資産の耐用年数は、法定耐用年数と呼ばれます。事務所で使われるような業務用エアコンの法定耐用年数は、6年・13年・15年のいずれかです。

エアコンがダクトつきのもので、建物の広範囲を空調できるタイプであれば建物付属設備とみなされ、耐用年数は15年です。出力が22Kw以下のものは13年、その他のものは6年となります。

参考:第2節 建物附属設備|国税庁

 

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クリーニングやメンテナンス費も対象

クリーニングやメンテナンス費も対象

エアコンは設置後にも、クリーニングやメンテナンス費など、維持するための費用がかかります。長く使用するもののため、どのように会計処理するのか知っておきましょう。勘定科目についても解説します。

クリーニング代の勘定科目

エアコンを長く使用していると、汚れが溜まって本来の性能が発揮できなくなるものです。エアコンは事務所の労働環境を改善し、従業員のパフォーマンスを上げるために必要と考えられます。

そのためエアコンのクリーニング代は、事業運営に必要な経費として処理して問題ありません。清掃用具の購入であれば、雑費もしくは消耗品費です。業者に依頼するなら、社員の満足度を高めるための福利厚生費とするか外注費としましょう。

事務所に設置しているエアコンはもちろん、福利厚生の一環で設置している社宅のエアコンについても、本体価格やクリーニング代などを経費にできます。

故障の修理費は修繕費

エアコンが故障して業者に修理を依頼した場合の修理費の勘定科目は、修繕費です。修繕費は事業運営に必要な備品や設備の修理を行った際に発生する支出に当てはまります。購入したエアコンはもちろん、リース品の修理でも修繕費です。

ただし修繕費とは、購入したものの機能を本来の状態に戻すためにかかった費用にのみ当てはまります。設備に何かを付け加える工事などには適用されないため注意しましょう。

まとめ

事務所などに設置するエアコンの費用は事業に必要なものとみなされ、損金処理が可能です。本体価格はもちろんのこと、設置費用なども取得価格として経費計上できます。

エアコンの取得価格によって、勘定科目や処理の方法が違うため要注意です。特定の条件に当てはまる中小企業なら、30万円未満の取得価格のエアコンは少額減価償却資産の特例が利用できる点も忘れないようにしましょう。

エアコンの価格によっては減価償却も必要です。クリーニング代や修理費など、購入後に発生する費用も忘れずに計上し、しっかり節税につなげましょう。

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