事務所を土足にすべきか、スリッパにすべきか
事務所を借りたときに、土足にすべきか、スリッパにすべきかということについてです。非常に細かい話ですが、実はここに重要な企業姿勢が見え隠れする場合も多いですから、このトピックの重要性が低いわけではありません。
生業・家業の象徴
別の記事で、生業・家業・事業の違いについて触れていますが、この「事務所に靴を脱いでスリッパであがる」という行為は、生業・家業であるということを表しているといっても過言ではありません。
事務所に「スリッパであがる」ことのメリットは、
・床が汚れないので掃除が楽である
・居住用のアパート等安い賃料でオフィスが借りられる
・足が臭くなりにくい?(笑)
などがあげられますが、これらはこれから成長を目指される企業にとってはどうでも良いことであって、むしろデメリットのほうが強い可能性が高いです。
というのは、こういう会社の社長は「自分の会社≒自宅(オレの家)」という認識が強く、会社の成長よりも自分の「モノ」を大事にしてしまう傾向があります。こういう社長のもとには、事業を成長させるという意味での「良い人材」が集まってこないのです。(生業・家業レベルでいくのであれば問題ありませんし、そのほうが幸せな人もいます。)
結論
結論:起業のときから、生業・家業を目指されているのであれば問題ありませんが、企業を志して起業されるのであれば、若干お金がかかっても、スリッパではなく、土足で上がる事務所で行きましょう。
ちなみにこんな本もベストセラーになったことがあります。
スリッパの法則―プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方 (PHP文庫)
また、皆様が会計事務所を選ばれる際にも、その会計事務所が土足なのかスリッパなのかは、実は重要なチェックポイントになります。もし、その会計事務所にお邪魔したときに靴を脱いでスリッパであがるような会計事務所であれば、その会計事務所自体も生業・家業レベルの会計事務所である可能性が高く(業界全体的にこのような傾向が強いですが・・・)、アドバイスの方向も「企業価値をどう高めるか?」ではなく、「生業・家業で成功するためにはどうすべきか?」というものになってくるでしょう。