登記上の資本金よりも手許にある資金が減らないようにしないといけないような気がして資本金を使わないでとってあるのですが、手許の資金が登記上の資本金より減ってしまっても平気なものなのでしょうか?(東京都Z様)
【回答】使って頂いて結構です。
登記簿に載っている資本金の額は、あくまでもそれだけの金額の出資がなされているということを表しているだけです(※)。従って、事業を開始すればこれを利用して頂くことは全く問題ありません。
※厳密には資本準備金に入る金額もありますので、出資の額と資本金が必ず一致するわけではありません。
■資本金は何のための資金なのか?
資本金のことを別の言葉で表現すると「元手」と言われます。つまり事業をするにあたって初期投資として必要な金額ということです。
必要で用意した資金が利用できないなどという理不尽なことはあってはならないことです。株主の方が経営者である貴方のために用意した貴重な資金ですので大事に使って頂きたいと思います。
■登記簿になぜ資本金の金額を載せるのか?
そうなると、登記簿に資本金の金額を載せる意味が解らないということになろうかと思います。
ざっくばらんに申し上げると、今となってはほとんど意味がないとお考え下さい。
一応、債権者保護の観点から必要だと言われていますが、資本金が大きいからといって倒産しないということが言えないのは、最近の状況を見れば明らかなことを考えると、債権者保護になっていると言うのは言い過ぎだと私は思います。
いまはM&A等で出資を受けなくても資本金の金額を大きくすることが出来る時代です。あくまでも参考情報として利用するのが良いと思います。したがって、経営者の方も資本金の金額の資金を保持することなど考える必要はなく、自由に使っていただければ良いのです。
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※この記事は平成21年4月1日現在の法令に基づき作成されています。