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法人開業vs個人開業(東京都S様)

友人二人を雇って飲食店を開業しようと思っているのですが、 個人事業で始めるよりまず会社を設立すべきなのでしょうか?

回答


日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の創業支援融資制度の利用を検討されるのであれば法人で、そうでなければ、メリット・デメリットを勘案してご自身で判断頂くか、面談にて詳細に事業計画をお伺いしたうえでアドバイスさせて頂きたいと思います。

一概には判断できないことをまずご理解下さい。


個人事業で始めるか会社を設立すべきかというご相談は、よく受けるご相談内容です。
既に起業ナビ上でも次のような記事を掲載させて頂いています。

タイトル:個人でやるか、会社でやるか?
URL:http://www.ksbd.net/2008/06/post-15.html

この記事は、主に消費税の節税という観点から、個人事業で始める場合のメリットについて書かれています。しかし、この記事にも書かれているとおり、消費税を節税するために事業をするわけではありません。
会社法が改正され、法人の設立が容易になったため、中々決められないという新たな悩みが発生したとも言えます。

日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の新創業融資を考える場合は別


唯一、はっきりと法人を設立した方が良いと言えるのが、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の新創業融資を考える場合です。
この制度融資の最大のメリットは、無担保・無保証という部分です。
つまり、法人であれば、他の融資より多少高い利息を負担することになりますが、仮に返済できない場合でも、無保証ですので経営者個人への債務返済の追求はありません。

この制度融資は個人でも受けることが可能です。
しかし、個人で融資を受けても無担保・無保証のメリットのうち、無保証のメリットを法人のような形で受けることは出来ません。
個人として返済しなければいけないわけです。
(個人でも第三者保証人を付ける必要がないという意味ではメリットのある制度です)

この一点においては、法人の方が勝っているということが出来ます。

ご友人を雇用するということについて


起業コンサルタントとしては、ご友人2名の雇用というお話の方が気がかりです。
ご友人と始める場合、法人化すれば出資をしてもらい共同経営の形にできるというメリットがあります。

しかし、あえて、冒頭の回答部分でそのことに触れなかったのには理由があります。 ご友人との現在の関係を冷静に見極めないと起業失敗の原因になりかねないからです。
共同経営者として一緒に苦楽を共に出来るレベルのご友人であれば、悩むことなく法人化をされると思ったからです。

「本当に苦楽を共に出来るのか」という心配はかなり高い確率で起業後に現実化します。 「共同経営者のつもりが、ご友人が全然働かない。こんなつもりではなかった。」というご相談を多数受けます。

一方で、共同経営者になるかどうかは解らないから役員ではなく従業員で雇用するというのも問題です。 「自分は役員ではないから、がんばっても仕方がない・・・。」と友人関係にヒビが入りかねません。

つまり、選択肢としては、共同経営者で本当に苦楽を共にできるご友人だけと一緒に起業するということしかないということです。
現実にはやってみないと解らない部分もあると思いますが、そのことについて起業前に真剣に話し合われることをお勧めします。

悪いことばかり書きましたが、急成長しているベンチャーは苦楽を共にする共同経営者の形態が非常に多いのも事実です。 表には社長が出るわけですが、裏側には必ずそういう方がいらっしゃるものです。
そうしたご友人にS様が恵まれていることを心よお祈りしております。

また、開店されましたら是非ご一報下さい。
おいしいものと起業が大好きですので。

※この記事は2009年1月15日現在の法令・情報等に基づいて記載しております。

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