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起業時の資金調達(融資)の申込先の正しい選択の仕方

前回、「事業計画書だけで資金調達できるシアワセ」というタイトルの記事を書きました。
その中で、「どこの金融機関に行くべきかという内容は、別の機会に書きたいと思います。」と話していたことについて、御紹介しておきたいと思います。

私は起業家の方から資金調達のご相談を受ける機会が沢山ありますが、皆さん口を揃えて「金融機関が貸してくれない」ということを仰ります。まえの「シアワセ」の記事にも書きましたが、実際、そんなことはありません。しかし、中には、そもそも、融資を申し込む先を間違えているというケースもあります。この場合、かなりレベルの高い事業計画書を持っていたとしても、資金調達をすることは、ほとんど不可能なのです。

これは本当に勿体ないケースですよね。

この記事の結論は、日本政策金融公庫に行きましょう、という平凡なものです。しかし、なぜ日本政策金融公庫に行くべきなのか?が解っていないと、失敗することがあります。「他でも借りられるからイイヤ」というスタンスで、日本政策金融公庫に行ってはいけないのです。

そういう方を一人でも減らすために、私が普段起業家の方にお話ししている内容を、続きで御紹介したいと思います。

■金融機関の種類

まず、一口に金融機関といっても、様々な種類があります。
金融機関のヒエラルキーを上から順番に御紹介すると、次のような感じになっています。

1.都市銀行
2.地方銀行
3.信用金庫
4.信用組合
5.日本政策金融公庫

普通に暮らしていると、上から順番に身近な感じのする存在だと思います。テレビでもCMを沢山流しているのは上の方ばかりです。しかし、実は、起業直後の経営者にとっては、上から順番に縁遠い存在なのです。

一般人から経営者に立場が変わった瞬間に、上下が反転してしまう。

このことをしっかりと覚えておいて頂きたいと思います。

■よくある失敗パターン

資金調達の必要に迫られている起業家は、今は経営者と言えども、ついこないだまではタダの一般人だったので、まずは親しみのあるところから・・・と、普段利用している都市銀行の窓口に、融資の申込に行ってしまう方が多いようです。

しかし、都市銀行の方は、前回の記事にも書いたとおり、リスクの高い起業直後の会社に融資するより、ある程度社歴のある安定した大企業に融資をした方がリスクが低くて都合が良いので、基本的に相手にはしてくれません。

こういう方に、「行くところを間違ってますよ」とお伝えすると、時々、「嘘を付け、店頭のポスターやパンフレットにも、中小企業を支援します!って書いてあるだろ」と逆に怒られてしまうことがあります。確かに渡しもそういうポスターを見たことがありますし、ホームページ等でも中小企業向けの情報コーナーもあります。

しかし、都市銀行のいう中小企業は、売上高10億円以上の企業のことを言っています。大変申し訳ないのですが、彼らは絶対に言いませんが、私が代弁するとすれば、創業直後の会社は「都市銀行にとっては、零細企業であって中小企業ではない」のです。

これはあくまでも私の主観による目安ですが、それぞれの金融機関ごとに中小企業という概念の目安を表現すると次のような感じだと思います。

1.都市銀行・・・10億円以上
2.地方銀行・・・3億円以上
3.信用金庫・・・1億円以上
4.信用組合・・・3千万円以上
5.日本政策金融公庫・・・創業時から

■セオリーは日本政策金融公庫から

上記のような裏付けをもって、起業時の資金調達の定石はやはり日本政策金融公庫であると、私は断言できます。
まずは、こちらから申込をしていくべきです。

日本政策金融公庫は、預金機能がありませんので、預金口座を持たない、いわば一元様だけを相手に取引をしています。つまり、いきなりお金を借りにくる法人・個人ばかり相手にしているということです。(銀行との付き合い方については、スタートアップではなく、マネジメントの別記事で書きます。)
また、さきほどご説明したような金融界の実情を踏まえて、民間金融機関ではフォローされない起業したての法人・個人に対する融資を行うように、政策的に設立された金融期間でもあります。したがって、起業したての皆様方を、暖かく迎え入れてくれる、唯一の金融機関であるとも言えます。

■信用保証協会を利用する方法

その他の方法としては、各都道府県別に設立されている信用保証協会を通じて、日本政策金融公庫以外の融資を受けるという方法もあります。しかし、こちらの場合、融資するのは、あくまでも金融機関であって、信用保証協会ではありません。つまり、保証協会がOKでも金融機関側がNOということがあり得ます。その事を理解したうえで、日本政策金融公庫の次にご利用頂けたらと思います。

■その他

ここまで書いたことは全て一般論です。
すべての融資取引は人間がやることなので、一般論で片付けられないことがあります。

例えば、貴方が価値のある不動産を所有していれば、別に日本政策金融公庫にいかずとも、その不動産を担保にして、都市銀行や地方銀行から融資を受けることは充分に可能です。また、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合の支店長クラス以上の方と知り合いだったり、それぞれの金融機関に対して影響力をもつ方からの紹介を得られるのであれば、状況は一変します。

担保力と人脈力はそれぞれご本人が一番ご存知のことと思いますので、これらを駆使出来る方は、そちらを利用するということを考えても良いと思います。特に人脈力については、紹介を依頼しないことによって、その有力者の機嫌を損ねてしまい、その後の営業にも悪い影響が出る場合がありますので、良く考えて行動して頂く必要があると思います。

■まとめ

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この記事のまとめとして、表を作りました。
こちらをご覧頂きながら、資金調達の戦略を練って頂けたらと思います。

※この記事は2011年2月末現在の法令等に基づき作成しております。

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